自分がロゴデザインをするときに意識していること

友人であるフリーエンジニアの原さんが、ある日クラウドソーシングのランサーズでこんな依頼を出していました。

原さんには日頃いろいろ仕事を振ってもらったり一緒に野球を見に行ったりと、公私ともに大変お世話になっております。 コンペ形式というのもあり、賑やかしの足しにでもなればと自分もひとつデザイン案を作ってみることにしました。

せっかくですので、これをネタに自分なりのロゴデザインの手順、ポイントをまとめてみます。

1: クライアントの希望を確認

クライアントがロゴにどういうイメージを持たせたいのかを念入りにヒアリングします(当たり前ですけど)。

ロゴは、その会社・サービスの指針を表すものであると同時に、それが使われる全ての媒体(ウェブサイト、チラシ、名刺etc)のデザインの基準となる非常に(もっとも?)重要なパーツ。どういう事業をしているのか、どんなコンセプトなのか、今後どうなっていきたいのか…情報は多いほど良いです。

ランサーズの場合は依頼登録時に基本的な情報は入力必須になっているようです。

ランサーズの依頼概要画面。

ランサーズの依頼概要画面。

いいですね、わかりやすい。

特にこの[シンプル-複雑][日常-高級]のような、微妙なテイストをスライダー式で示すやり方は、自分も初めての方と仕事をする際に(ロゴデザインに限らず)用いることが多いです。

欲を言えば…

参考にする他社のロゴ(リニューアル案件であれば、リニューアル前のもの)に対してもクライアントにスライダー式で評価をしてもらえると、自分は感覚のすり合わせがしやすいです。

なおリニューアル前のロゴはこちら。

I.I.S Logo-old

ロゴ(リニューアル前)

デザインは主観的なものなので、感じ方は人それぞれ。すでにあるデザインに対して評価をしてもらうことで、「ああ、この人はこういうのを日常感があると感じるのか」「今の男性的なロゴを、かなり中性的に寄せたいんだな」といったイメージ・認識のすり合わせをより効率的に行うことができます。

旧ロゴとの比較

新旧ロゴのテイスト比較。今回はヒアリングの機会がなく旧ロゴのテイストは自分で評価しましたが、クライアントに評価してもらえると、イメージがつかみやすい。

2: 競合、同業種の調査

続いては下調べ。

希望イメージは現ロゴよりも「未来的」「遊び心」「中性的」な印象を強めたい意図が感じられたので、今回はTHE BRIDGEWantedlyの会社一覧ページなどで、最近のスタートアップ系会社のロゴを眺めてイメージを膨らませます。

THE BRIDGE

スタートアップ系ニュースマガジンTHE BRIDGEの会社一覧ページ。専門的な会社、業種のロゴは、業界系のメディアや求人サイトなどで探すと見つかりやすい。

3: 大まかなイメージを考える

①でヒアリングしたクライアントの希望、②で情報収集した同業種のトレンドをもとに、アイデア、キーワードをとにかく思いつく挙げてみます。

  • フリーエンジニア
    • 親しみやすさ
    • フットワークの軽さ
    • 丸みのあるデザイン
    • 優しい色合い
  • 格安システム開発、ウェブ制作
    • 高級感排除
  • ドメイン取得/サーバー設置代行/SSLインストールなども
    • 業務の幅広さ
    • 色数多め?
    • 単色寄りのリクエストなのでアクセントで色3〜4色使う?
  • シンプル
  • 中性的な感じ
    • 細めでグレー気味かな?
    • スタイリッシュ?
  • 少しユーモア
  • 知的
  • 専門的
  • 今どきっぽさ
  • IT系

ざっとこんな感じ。キーワードを羅列していくうちに、具体的なデザインのアイデアもぽつぽつ浮かんでくる感じ。

4: アイデア出し、スケッチ

今回は、【システム開発】【親しみやすさ】【カラフルにしやすい】ということで積み木をモチーフにしてみようかな、と思います。

積み木 画像検索

手っ取り早くイメージをつかむなら、画像検索が一番。より時間をかけられる状況であれば、実物やパンフレットを取り寄せるなどもしたい。

いろんな形の積み木がありますね。

ある程度イメージが固まったら、(自分の場合は)いくつか案を軽く紙にスケッチしてよりイメージを明確にしてから、いよいよIllustratorを使ったデザインに入ります。

5. ベクター化

さて、いよいよIllustratorを起動!デザインに入ります。

ロゴマーク部分 積み木を作ってみる

ロゴマーク デザイン
4色くらい使いたいからこんな感じかなあ…。
家っぽい形に組んだ積み木も考えたけどヘーベル◯ウスっぽくなってしまうのでボツ。
全体に角丸を小さくつけて、柔らかさを出します。

また、ファビコンやSNSアイコンなどに使いやすいように正方形とします。最近はそういうことも考慮したロゴマークが多いですね。

裏テーマというか遊び心というか、クライアントのイニシャル(H)を模した形でもあります。フリーランスなので、そういうのもアリかな、と。

ロゴタイプ部分 屋号名を組む

ロゴタイプ デザイン

まずはベタで打ち込んでみる。なお、「I.I.S」のドットはまだ入れない。自分の場合、ロゴデザインにおいてフォント通りにドットやハイフンを入れることは基本しない。ダサいので。

続いてロゴタイプ(I.I.S)部分。旧ロゴがかなり太めで男性的なイメージであること、より中性的でトレンド感ある印象に仕上げたいので、細めでスタンダートなフォントをベースにします。いくつか試した結果、Helvetica Neue Thinを採用。

ロゴタイプ デザイン

画像ではすでにアウトライン化してますが、この時点ではアウトライン化していなくても大丈夫です。

うーん、まだちょっと太いかも。[線]をつけて全体的に痩せさせます。
既存のフォントの太さがいまいちしっくりこないときは、線を使って、細めにしたり太めにしたりするのもアリです。

ロゴタイプ デザイン

白い線を、[パスのアウトライン]で塗り状態に変換したところ。最初はグレー部分と白部分がグループ化されているので、グループ解除しておいてから、パスファインダーで型抜きします。

細さが決まったら、[パスのアウトライン]で白い線を塗り状態にし、[パスファインダー(前面オブジェクトで型抜き)]で、グレーのベース部分を型抜きします。

残りのパーツを組んでバランスを整える

スクリーンショット 2014-07-15 19.34.31.png
ドット部分(円)や、「Independent Information Services」を追加したり、ロゴタイプ部分の角に丸みを少しつけたり、IとSの高さを合わせたり。

とりあえずこれで形は完成。

6. 配色

ロゴ 配色

PANTONEなどのカラースウォッチは、スウォッチパレットの[スウォッチライブラリを開く]から使うことができます。

今回はPANTONEのカラーブックをベースにパステル系4色でまとめてみます。

気に入ったトーンの1色をベースに4色に展開後、全体の彩度や明度を微調整。
ロゴの場合、CMYK値を他社に明示する場合もありますので、「Cyan 41.22」などのように小数点以下の数値にならないよう、整数で整えます。

完成

Logo iis
最初のヒアリング(というかランサーズの依頼概要を読み込む)から完成まで、今回は3〜4時間くらい。
コンペ形式なのでかなり速攻で作っちゃいましたが、ある程度の予算や時間が許せば、情報収集やコンセプト出しに数日〜数週間じっくりかけたいところ。

以上が、自分なりのロゴデザインの流れです。もちろん業種やスケジュールによって多少変わりますが、それぞれのフェーズにどれだけリソースを配分するかの違いだけで、大まかなフローはほぼ同じ。

後日談: コンペの結果

さて、出来上がったロゴをランサーズから提案にかけてみました。後日、一応クライアントの原さんにもお知らせ。

チャット画面

ちょまちょま

コンペ開始からわりとすぐに応募したので、全部で20件くらいかなー、このレベルだったら本当に獲れちゃうかもなーと呑気に思っていたら、締め切り間近からブーストかかって最終的には84件の提案が!

最終候補的な枠には残ったものの、惜しくも落選でした。残念。

コンペ結果

一番左が当選案。惜しかったー

当選した案などを見ると、結構力強い印象のものが多く、自分の案は少しスラっとしすぎてフリーデザイナーっぽいロゴになってしまった感があります。

ランサーズなどのクラウドソーシングではしょうがないんですけど、やはり最初にしっかりとヒアリングをしないと、正確に要望をイメージするのが難しい…。

(発注者からするとたくさんの提案が見られるコンペは魅力的だと思いますが)コンペではなく、ご指名いただけるほど信頼されるよう精進せねば、と思いを新たにした次第であります。

おまけ

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( ゚д゚)ハッ!

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